保育士試験9科目の難易度は科目によって違い、法律・制度の知識、発達・健康の理解、楽譜の読み取りなど、それぞれ難しいところがあります。合格ラインはすべて満点の6割以上で、基本は1科目ずつ合否が決まります。ただし、教育原理と社会的養護(通称ニコイチ)は、同じ回で両方とも6割以上取る必要があり、片方だけ届いても合格になりません。
試験では多くの科目で、子どもの虐待への対応や保育所の感染症対策など、法律や国の決まりに沿った内容が出題されます。公式サイトで公開されている過去問と正答を使えば、実際に出た問題で対策できます。
また、勉強を保育原理から始めると、そこで学ぶ「保育所保育指針」がほかの科目の問題にも出てくるので、あとで覚え直す手間が省けます。ニコイチの2科目は、どちらかを後回しにせず、同じ時期に進めます。合格した科目はその年を含めて3年間有効なので、1回で9科目そろわなくても、次の回からは残りの科目に集中できます。(出典:全国保育士養成協議会「試験日程・科目(前期)」・「過去の試験問題」・「保育士試験Q&A」/2026年10月確認)
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保育士試験9科目の難易度と合格ライン
筆記9科目の合格点は、100点満点の7科目が60点以上、50点満点の教育原理と社会的養護が30点以上です。
| 科目 | 試験時間 | 満点 | 合格点 |
|---|---|---|---|
| 保育の心理学 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
| 保育原理 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
| 子ども家庭福祉 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
| 社会福祉 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
| 教育原理 | 30分 | 50点 | 30点以上※ |
| 社会的養護 | 30分 | 50点 | 30点以上※ |
| 子どもの保健 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
| 子どもの食と栄養 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
| 保育実習理論 | 60分 | 100点 | 60点以上 |
※教育原理と社会的養護は、同じ回で両方とも30点以上が必要です。
こども家庭庁の公表資料だけでは、科目別の合格率から難易度を比較できません。「保育士試験の実施状況」には都道府県別・回別の申請者数と合格者数が載っていますが、科目別の人数は掲載されていないためです。試験全体の合格率と推移は、保育士資格の難易度は?合格率が低い理由と何回で受かるかを解説で解説しています。(出典:全国保育士養成協議会「試験日程・科目(前期)」・こども家庭庁「保育士試験の実施状況(令和7年度)」/2026年10月確認)
教育原理と社会的養護でつまずく理由

教育原理と社会的養護でつまずく理由は、2科目の合否がセットで決まることと、各10問しかなく1問の重みが大きいことの2つです。
同じ回で両方6割以上が必要
科目免除がない場合、教育原理と社会的養護は、同じ回で両方とも満点の6割以上を取らないと、どちらも合格になりません。たとえば教育原理で40点を取っても、社会的養護が25点なら、教育原理も不合格です。
そのため、ほかの7科目のように合格を持ち越せず、次の回は2科目とも受け直しになります。(出典:全国保育士養成協議会「試験日程・科目(前期)」・「保育士試験Q&A」/2026年10月確認)
1問の失点が合否に響く
教育原理と社会的養護は各10問で、ほかの7科目(各20問)の半分です。1問ごとの配点は示されていませんが、問題数で見ると、1問が全体に占める割合は2倍になります。片方で1問落としただけで合格点を割ると、もう片方も合格になりません。(出典:全国保育士養成協議会「試験日程・科目(前期)」・「過去の試験問題」/2026年10月確認)
9科目の難しいところと対策
9科目は、法律・制度、人物と理論、音楽・造形など、科目によって覚える内容が異なります。
福祉の3科目は制度と支援を整理
社会福祉・子ども家庭福祉・社会的養護は、法律や制度の数が多く、名前と中身を結びつけて覚えるところでつまずきます。子ども家庭福祉では児童福祉法などの法律がよく出ます。社会的養護では施設の役割や国の支援の指針、社会福祉では相談援助の方法も問われます。
対策は、法律・制度ごとに「誰を対象に、どのような支援をするか」を整理することです。相談援助は、技術の名前と使う場面をセットで覚えます。(出典:全国保育士養成協議会「過去の試験問題」/2026年10月確認)
保育原理と教育原理は指針・人物を整理
保育原理では、保育所保育指針の内容を理解し、事例に当てはめる力が問われます。教育原理では、教育に関わる人物と考え方のほか、教育基本法や幼稚園教育要領からも出題されます。
保育原理は、過去問で問われた指針の章を読み、正しい文章と選択肢の違いを確かめます。教育原理の人物は、名前・主な考え・著書などを表にして整理します。(出典:全国保育士養成協議会「過去の試験問題」・こども家庭庁「保育所保育指針」/2026年10月確認)
心と体の3科目は発達・健康・栄養
保育の心理学は、発達の理論と人物を結びつけて覚える点が難しい科目です。子どもの保健では感染症・予防接種・事故防止、子どもの食と栄養では栄養素の働きや離乳食の進め方などが問われます。
心理学は、人物・理論・子どもの行動例をセットで整理します。子どもの保健と子どもの食と栄養は、過去問で間違えた内容を「保育所における感染症対策ガイドライン」や「授乳・離乳の支援ガイド」などの該当箇所で確認します。(出典:全国保育士養成協議会「過去の試験問題」/2026年10月確認)
保育実習理論は音楽・造形も対策
保育実習理論は、楽語・コード・移調など、音楽の基礎知識も必要です。造形では子どもの描画の発達や色彩、版画などの技法が問われ、ほかに保育所保育指針や実習の事例も出題されます。
楽譜が苦手な人は、楽語の意味、コードの構成音、移調の手順を分けて学び、過去問で練習します。筆記試験でピアノを弾く必要はありません。音楽だけに時間を使わず、造形や指針、事例問題も対策します。
実技試験は音楽・造形・言語から2分野を選ぶため、音楽を選ばずに受けられます。課題と組み合わせは、保育士試験の実技3分野の課題と選び方で解説しています。(出典:全国保育士養成協議会「試験日程・科目(前期)」・「過去の試験問題」/2026年10月確認)
苦手な科目は通信講座で補う
過去問を解いても正答の理由がわからない科目は、科目別の通信講座で補えます。
四谷学院の保育士講座は、筆記対策を科目別に申し込めて、実技試験だけの受講もできます。教育原理と社会的養護はセットでの受講です。免除科目や合格済みの科目がある人も、必要な科目を選んで学べます。(出典:四谷学院公式ブログ「保育士資格試験は難しい?易しい?難易度について」・四谷学院公式サイト「保育士講座」/2026年10月確認)
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免除と合格科目の有効期限

幼稚園教諭免許や社会福祉士などの資格がある人は、申請すると一部の科目が免除されます。また、試験で合格した科目は、原則としてその年を含めて3年間有効です。
幼稚園教諭免許で免除される科目
幼稚園教諭免許(臨時免許を除く)がある人は、申請すると「保育の心理学」「教育原理」と実技試験が免除されます。この免除だけを使う場合、筆記は残りの7科目です。
免許による免除に社会的養護は含まれません。(出典:全国保育士養成協議会「幼稚園教諭免許状所有者の免除について」/2026年10月確認)
福祉系の3資格で免除される科目
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士のどれかの資格がある人は、登録証のコピーを提出すると「社会福祉」「子ども家庭福祉」「社会的養護」が免除されます。この免除だけを使う場合、筆記は残りの6科目で、実技試験も受ける必要があります。(出典:全国保育士養成協議会「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士 資格所有者の免除について」/2026年10月確認)
合格した科目は3年間有効
筆記で合格した科目は、原則としてその年を含めて3年間有効です。たとえば2026年に合格した科目なら、2028年の試験まで受け直す必要はありません。教育原理と社会的養護も、同じ回で両方合格すれば同じ扱いです。
保育所や幼稚園などの対象施設で、決められた期間と時間働いた人は、有効期間を最長5年まで延ばせます。延長制度を利用しない場合は、3年間の期限を過ぎた科目を受け直す必要があります。(出典:全国保育士養成協議会「保育士試験Q&A」・「合格科目免除期間延長制度について」/2026年10月確認)
関連する科目をつなげて学ぶ順番
勉強は、保育原理から始め、内容が重なる科目を続けて学ぶ順番が向いています。保育原理で学ぶ「保育所保育指針」は、保育実習理論や子どもの食と栄養でも出題されるためです。
関連する科目はまとめて学ぶ
社会福祉・子ども家庭福祉・社会的養護は、児童福祉法や虐待への対応など、法律や制度が重なるため、続けて学びます。同じ制度でも、それぞれの科目で何が問われているかを過去問で確かめます。
子どもの保健と子どもの食と栄養も、食物アレルギーや食事中の事故防止が両方に出るため、続けて学びます。事故防止のガイドラインなど共通する資料は、2科目分をまとめて読みます。(出典:全国保育士養成協議会「過去の試験問題」/2026年10月確認)
ニコイチの2科目は同時に進める
教育原理と社会的養護は、どちらかを後回しにせず、同じ試験に向けて並行して対策します。科目免除がない場合、同じ回で両方とも6割以上が必要だからです。
社会的養護は福祉の3科目と一緒に学ぶので、その時期に教育原理の勉強も入れます。過去問の結果を比べ、点数が足りないほうに勉強時間を多く割り当てます。(出典:全国保育士養成協議会「試験日程・科目(前期)」/2026年10月確認)
保育士試験の科目についてよくある質問
保育士試験の合格率の変化や、科目の受け方、試験の順番についての疑問に答えます。
まとめ|保育士試験9科目の難易度に合わせて対策し、保育原理から学ぶ
保育士試験9科目は、科目ごとに難しいところが異なり、合格ラインはすべて満点の6割以上です。科目免除がない場合、教育原理と社会的養護(通称ニコイチ)は、同じ回で両方とも6割以上取る必要があります。
対策として、どの科目も覚える内容を整理してから、公式サイトの過去問と正答で確かめます。苦手な科目を通信講座で補う場合は、受講料や科目ごとに申し込めるかを保育士通信講座のおすすめ比較で比べられます。
また、勉強は保育原理から始め、内容が重なる科目を続けて学ぶ順番が向いています。ニコイチの2科目は並行して進めます。合格した科目は原則としてその年を含めて3年間有効なので、複数回に分けて9科目をそろえられます。
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